3月17日は「セント・パトリック・デー」。
日本ではまだあまり知られていないが、実はとても美しく、やさしい祝祭だ。
アイルランドの守護聖人・聖パトリックを記念する日で、
街も人も緑に染まる。
でも、この日の本当の魅力は
単なるイベントではなく、
その奥にある ケルト文化の世界観 にあると思う。
ケルトの人々は、
自然とともに生き、
季節の変化を祝い、
目に見えないものへの敬意を忘れなかった。
春は「生命が戻る奇跡の季節」。
長い冬を越え、
大地が目を覚まし、
草が芽吹き、
光が増え、
人の心も軽くなる。
セント・パトリック・デーは、
そんな春の訪れを感じる祝祭でもある。
祝い方はとてもシンプルだ。
緑のものを身につける。
家族や仲間と集まる。
音楽やダンスを楽しむ。
おいしいものを食べる。
それだけでいい。
特別な資格も、
特別な準備もいらない。
参加するだけで成立する。
この点はハロウィンとよく似ている。
どちらもケルトの流れをくむ祝祭だからだろう。
食べ物にも、土地の歴史が表れている。
アイルランドといえば、じゃがいも。
シンプルで力強く、
大地の恵みをそのまま感じる食材だ。
代表的なのは
・アイリッシュシチュー
・コルカノン(じゃがいもとキャベツの料理)
・ソーダブレッド
・シェパーズパイ
どれも派手ではないが、
体と心を温める「暮らしの料理」だ。
飲み物では、
黒ビールやウイスキーが有名だが、
無理にお酒を飲む必要はない。
緑色のスイーツやドリンク、
ハーブティー、抹茶などでも
十分に雰囲気を楽しめる。
大切なのは、
“春を迎える気持ち” だと思う。
ハロウィンが
「死と再生の境界」を祝う夜なら、
セント・パトリック・デーは
「生命が戻る昼の祝祭」。
どちらも
生きることを肯定する文化だ。
日本ではまだ小さなイベントだが、
だからこそ、
静かに自分のペースで楽しめる。
緑の服を一つ着る。
温かい料理を食べる。
春の光を感じる。
自然に感謝する。
それだけで、
少しだけ心が軽くなる。
祝祭は、大きな花火のようなものだけではない。
こういう穏やかな祝祭も、
人生には必要だと思う。
もしまだ体験したことがないなら、
今年は少しだけ参加してみてほしい。
緑のものを一つ身につけるだけで、
その日はもう特別になる。
春の訪れを祝う、
とてもやさしい一日だ。
——
日本ハッピーハロウィン協会
