節分おばけとは
― 鬼になることで、人に戻る日本の祝祭 ―
節分おばけは、日本に古くから伝わる「変身の祝祭」です。
節分おばけとは、節分の日にあえて鬼や別の存在に仮装することで、
一年に溜まった厄や澱を引き受け、
新しい季節へ心と暮らしを切り替える、日本独自の文化です。
福は内、鬼は外。
そう言いながら、自分が鬼になる。
この逆転こそが、節分おばけの本質です。
なぜ、鬼になるのか
鬼とは、恐ろしい存在であると同時に、
人の中にある 怒り・弱さ・不安・欲・疲れ を象徴した存在でもあります。
節分おばけでは、それらを追い払うのではなく、
一度、引き受けて演じる という方法を選びました。
鬼になりきることで、
「自分の中にあった厄」を外に出し、
笑いと遊びの中で手放していく。
これは、日本人が長い時間をかけて育ててきた
とても賢い厄除けの方法です。
なぜ、仮装なのか
仮装は、ただの衣装ではありません。
仮装とは、役割を一時的に脱ぎ捨てる行為です。
まじめな人が、ふざけてもいい
強い人が、弱さを出してもいい
大人が、子どもに戻ってもいい
節分おばけの日だけは、
社会の中で背負ってきた役割を脱ぎ、
「仮の姿」になることが許されます。
だから節分おばけは、
心の大掃除でもあり、
人生のリセットボタンでもあるのです。
ハロウィンとの違い
ハロウィンも、節分おばけも、
どちらも「仮装する祝祭」です。
しかし、意味は少し違います。
ハロウィン
外からやってくる霊や異界と向き合う祝祭節分おばけ
自分の中にいる鬼と向き合う祝祭
ハロウィンが「外の世界との境界」を扱うなら、
節分おばけは「内なる世界の切り替え」を扱います。
日本ハッピーハロウィン協会では、
この二つを対立ではなく、連続した祝祭文化として捉えています。
なぜ、今あらためて節分おばけなのか
現代社会では、
感情を抑え、役割を演じ続けることが求められます。
その結果、
怒りも、悲しみも、疲れも、
行き場を失ってしまいました。
節分おばけは、
それらを安全に、楽しく、外に出す装置です。
子どもは、のびのびと
若者は、自由に
大人は、肩の力を抜き
シニアは、もう一度遊ぶ
世代を超えて参加できる、
とてもやさしい祝祭なのです。
日本発、世界に誇れる祝祭へ
節分おばけは、
単なる昔の風習ではありません。
仮装文化
心理的ケア
季節の切り替え
コミュニティの再生
これらを同時に満たす、
日本発の完成度の高い祝祭モデルです。
日本ハッピーハロウィン協会は、
節分おばけを
現代の暮らしに合った形で再編集し、
次の世代へ、そして世界へ伝えていきます。
節分おばけを、あそぼう
節分の日、
少しだけ鬼になってみてください。
仮の姿を脱ぐとき、
きっと心が軽くなっています。
鬼になることで、人に戻る。
それが、節分おばけです。